短期間で噛めるインプラント治療は、重度歯周病やひどい歯槽膿漏の方で、すでに通常の歯槽膿漏治療などを行っても、あまり良い結果が望めない状態の時に行う、インプラントの治療法です。
重度歯周病やひどい歯槽膿漏の方の短期間で噛めるインプラント治療は、通院回数が短く、痛みもほぼ感じない状態で、歯を新たに生まれ変わったような状態にする事が可能です。
かなり重度の歯周病、歯槽膿漏で、歯を支える歯槽骨がほとんど残っていない方は、積極的な歯周病の殺菌治療やブリッジ治療、入れ歯治療を行っても、あまり長期のもちが期待できない場合も少なくありません。
そのような方が、短期間で噛めるインプラント治療を行うと、歯周病が短期間で改善し、食事もふつうにでき、快適な生活ができるようになります。
例えば、写真の症例の方は、他の歯科医院で歯槽膿漏のために上の左右の奥歯を抜歯しました。
そしてその後は、前歯に差し歯を入れ、奥歯は入れ歯を作りました。
ところが、あまり入れ歯が合わず、使わないでいたところ、今度は前歯も歯槽膿漏になってしまいました。
それでもなんとか歯磨きをしながら、前歯で食事をしていたのですが、ついに前歯の繋がった差し歯が抜け落ちてしまい、来院されました。
来院された時には、前歯の差し歯を瞬間接着剤で着けていて、かろうじて前歯はありましたが、ぐらぐら揺れて、ひどい状態でした。
またレントゲンを撮って診査をしてみると、差し歯を支えていた歯は、ひどい歯槽膿漏になっていて、周りの歯槽骨がほぼなくなっているような状態でした。
また奥歯も一部残ってはいましたが、こちらも虫歯と歯槽膿漏がひどい状態でした。
この状態で積極的な歯槽膿漏の治療をして、再度、前歯の差し歯や入れ歯を作っても、あまり長いもちは期待できないと思われました。
また、患者様とお話しすると、もう数年おきに歯槽膿漏が再発して、歯科医院への通院を繰り返すのが疲れてしまったので、歯槽膿漏が再発しない、根本的な歯槽膿漏治療がしたいとの御希望もありました。
そのため、患者様のご希望もあったため、上顎の残っている歯をすべて抜歯して、短期間で噛めるインプラント治療を行う事にしました。
写真は、短期間で噛めるインプラント治療後の状態です。
短期間で噛めるインプラント治療は、抜歯したその日に、上顎、もしくは、下顎、それぞれにインプラントを4本~6本埋め込み、そのまま仮歯も製作するため、治療直後から、ある程度食事が可能になります。
また治療は、静脈内鎮静法と呼ばれる全身麻酔に似た麻酔方法で行うため、痛みもほとんど感じません。
そして、短期間インプラント治療は、上顎、もしくは、下顎の歯をすべて抜歯するため、身体の中の歯周病菌の数が激減し、それによって、歯周病、歯槽膿漏の再発がほとんど起こらない状態になります。
治療例の患者様は、最初は上顎のすべての歯を抜歯していいものか、かなり迷われていました。
しかし、治療が終わって、歯槽膿漏も改善し、なんでも噛めて、人前でも笑えるようにもなった事で、とても喜んでいただけました。