30代の時に、結婚が決まり、結婚式の前に、以前から気になっていた歯並びを治そうと思いたちました。
ただ、結婚式までには時間がなかったのと、費用の事もあって、電車の広告に載っていた早くて安い審美歯科医院で、前歯5本を差し歯にして、歯並びを治しました。
その時には、差し歯がきれいに入って、歯並びも良くなったため、自分では大満足でした。
ところが、最近になって、その差し歯と周りの糸切り歯の歯茎が、急激に下がってきてしまったのです。
そこで、家の近所の歯科医院へ受診したところ、歯槽膿漏になっていると言われました。
そして、歯槽膿漏の治療は、クリーニングと歯ブラシが一番大切なので、しばらく通って、クリーニングと歯磨き指導をする旨を伝えられました。
でも、それから何ヶ月も通院したのですが、歯茎の下がりが治るような気配はまったくなく、むしろどんどん悪くなってきているようなのです。
そこで、なにか別の方法で歯槽膿漏の治療がないものかと思い、来院されました。
お口の中とレントゲンを拝見してみると、確かに上の前歯に入れている差し歯とその周りの糸切り歯の歯茎がかなり下がっていました。
ただ、それ以外の歯の歯茎の下がりは、それほどでもなく、通常の歯槽膿漏とは違う症状のようでした。
そこで、お口全体を精査してみたところ、数年前に奥歯を抜歯して、その後に作ったブリッジの噛み合わせがかなり低い状態という事がわかりました。
それによって、お口全体の噛み合わせのバランスも崩れてしまったようで、その影響で、上の前歯全体に過度な噛み合わせの力が掛かる咬合性外傷になっている事もわかりました。
咬合性外傷が起こると、歯を支えている歯槽骨が溶けてしまい、そこの部分の歯茎も同時に下がってしまいます。
そこで、お口全体の噛み合わせのバランスを直して、咬合性外傷を解消し、歯槽膿漏も良くする事にしました。
そして、上の前歯は、咬合性外傷によって、かなり歯槽骨がなくなって、揺れも認められたため、ジルコニアオールセラミッククラウンで繋いで被せ、歯が揺れないように固定しました。
また、奥歯についても、新しくブリッジを作り直し、正常な噛み合わせのバランスに戻しました。
前歯の咬合性外傷が解消し、歯槽膿漏の進行も止まったため、歯茎の下がりも止まりました。
治療後には、ご自宅で次亜塩素酸電解除菌水のうがい、マグネシウム歯磨きペースト、歯茎を健康に保つオーラループを毎日使用していただくことで、お口全体の無菌化を保ち、良い状態になっています。