“ Periodontal diseases kill heart ”(歯周病が心臓を死なせる)という言葉をご存知でしょうか?
アメリカの医療では近年この言葉がさかんに囁かれ、広告などにも使われ、一般にも広く浸透しつつあります。
歯槽膿漏は、歯周病が原因のひとつの症状ですので、歯槽膿漏があなたの心臓を悪化させている犯人だったのかもしれないのです。
同時にやはりアメリカには、“ Priority to Dentistry ”(大病の前兆として歯科の病気が現れる)という言葉もあります。体の不調は、まず、歯槽膿漏などお口の病気として現れてくるという意味です。
アメリカ人に教わるまでもなく「歯槽膿漏は万病の元」と心得ていれば、全身管理を徹底し体の免疫力を高めれば、結果として歯槽膿漏も防ぎ、様々な病気になる予防効果が期待できるのです。
歯周病・歯槽膿漏は、世界中でもっとも多くの人がかかっている病気で、日本でも成人の8割は歯周病といわれています。
この病気のやっかないところは、ほとんど自覚症状なしに病状が進み、気が付いた時には抜歯しなくてはいけないほどにまで悪くなっている場合があることです。
さらに悪いことには、歯槽膿漏はお口の中の状態にとどまらず、全身の健康状態にまで深い影響力を持っていることが分かってきています。
歯と歯茎の間にある歯周ポケットは、健康な人の歯茎では、ごく浅いものです。しかし、歯槽膿漏になると、ポケットが深くなり、ここに細菌が入り込んで繁殖しやすくなります。
もちろん、歯磨きをきちんとしていれば、細菌が繁殖することもありません。しかし、歯磨きが不十分だと、細菌がたまりはじめ、歯周ポケットがさらに深くなります。すると、細菌から出る毒素や炎症反応で歯を支えている組織が破壊されやがて歯が抜けてしまうのです。
また、歯周ポケット内に入り込んだ細菌や、細菌の出す毒素、酵素、また炎症が起きることで出される物質が、血管やリンパ管を通って全身の循環系に行きわたり、動脈硬化や心臓系疾患、さらには脳梗塞にまで関連し、妊娠時には早産にまで影響を及ぼすことが分かっています。
また、全身の健康状態も歯槽膿漏に影響を与えています。歯槽膿漏を進行させるものとして、糖尿病、喫煙、肥満、骨粗鬆症が挙げられます。